スペシャルズでキャリアをスタートさせてからというもの、ファン・ボーイ・スリー〜カラー・フィールド〜テリー・ブレア・アンド・アヌーシュカと、どれも長続きはしていないものの、そこそこの成功を収めてきたテリー・ホールが、ついにソロ名義で出した1stソロアルバムです。
このアルバムの前にはヴェガスというユニット名でユーリズミックスのデイヴ・スチュワートと組んでアルバムを出していましたが、今回は相方を一人に絞らず、曲によってパートナーを変えながらあくまで彼のソロという形をとっています。まず半数の曲で共作しているクレイグ・ギャノン。アズテック・カメラやブルー・ベルズなどに在籍し、スミスのサポートメンバーだったりもしたその筋の人です。他にこのアルバム全体のプロデューサーも務めたイアン・ブロウディ。3曲目「SENSE」は彼のソロユニットであるライトニング・シーズの2ndアルバム表題曲ですが、今回のテリーのヴァージョンもピッタリフィットしています。そしてXTCのアンディ・パートリッジ。アンディの場合はプロデューサーまでやった方がマッドなキャラが出るんですが、ここでは共作者としてのみの参加。それでも独特のアンディ節がしっかりと感じられます。さらにヘアカット100のニック・ヘイワード。これらのメンツを見るとみんなパンク以降にデビューし、その後も頑固なスタンスで地道に活動を続け、良質のブリティッシュポップを生み出している人たちばかりで嬉しくなります。
日本の歌謡曲もどきで気恥ずかしくなる濡れたメロディが印象的な冒頭の「FOREVER J」をはじめ全曲佳曲揃い。ただしボーナストラックの「神のみぞ知る」のカヴァーだけはダメでした。まぁ、このテのポップのフィールドにいる人なら一度はやりたい曲なんでしょうけどね。
2005/03/12