80年代にアニー・レノックスとのユニット、ユーリズミックスで成功を収め、プロデューサーとしても良い仕事をしているのデイヴ・スチュワートの2ndソロアルバムです。
いかにもサイバーな感覚のジャケットに惹かれて聴くとまさに期待通り。打ち込みを主体としながら、そつのないギターも絡めているため、単なるエレポップには終わらず極上の近未来ワールドが広がります。ビル・ネルソンやバグルスが確立したあの独特のサウンドを、ライトニング・シーズ同様見事に継承してくれました。
ユーリズミックス時代はアニー・レノックスという強力な女性ヴォーカルを前面に押し出して、彼自身は裏方的役割を演じていましたが、ここではヴォーカルまで自分でとっています。そしてこれが、達者なわけではないものの実にイイ雰囲気を出しているから驚きです。冒頭を飾る極上のポップチューン「HAPPY TO BE HERE」を初めとしてほとんどの曲で機械的に声を変えて、近未来派ぶりを発揮していますが、7曲目「GOOD
FOR NOTHING」ではデイヴィッド・ボウイを彷彿とさせる堂々たる歌いっぷりも披露しています。
ところでこの人、ハットフィールド&ザ・ノース等で有名なキーボード奏者と同姓同名のため、間違えられるのが嫌だったのか「デイヴ・A・スチュワート」と表記していた時期もありましたが、ここではフツーに戻しています。
2004/03/17