DAVE STEWART AND BARBARA GASKIN /
THE BIG IDEA

(1990)

 ハットフィールド&ザ・ノースのキーボード奏者デイヴ・スチュワートと、そこのコーラス隊の一人バーバラ・ガスキンは80年代に入ってからユニットを組み、レスリー・ゴーアの「涙のバースデイ・パーティ」やリトル・エヴァの「ロコモーション」など次々と秀逸なカヴァーシングルを発表しました。それらを含む編集盤もすばらしい内容でしたが、このフルアルバムは全体を通して統一感のある傑作です。
 ハットフィールド〜ナショナル・ヘルス時代は随所で超絶なフレーズを繰り出したデイヴですが、このユニットではサウンドクリエイター的な立場で雄大なスケールのバッキングを聴かせてくれます。お約束のカヴァー曲も4曲あり、相変わらずどれも秀逸ですが、特にブルー・ナイルの「HEATWAVE」では、ゆったりとした曲調で淡々と流れながら、8分という長さを感じさせないセンスの良さが光ります。
 ただ、これだけじゃ往年のプログレファンは満足しないかもしれません。ホントの目玉はラストを飾るデイヴのオリジナル「NEW JERUSALEM」です。9分を越えるこの大曲は、E.L.P.と見紛うばかりの大仰な展開でほれぼれしてしまいます。でもバーバラのヴォーカルはあくまで淡々としていてクール!それこそがこのユニットの最大の魅力なのかも。

2003/06/04


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