XTCの9thアルバムは、ビートルズの『YELLOW SUBMARINE』風のカラフルなジャケットそのまんまの内容です。
カラフルさの理由の一つは、グループ内にアンディ・パートリッジとコリン・ムールディングという二人のソングライターがいること。収録曲は圧倒的にアンディの方が多いんですが、このアルバムのコリンの曲は3曲だけにも関わらず、とてもイイ味を出してるんです。冒頭の「GARDEN
OF EARTHLY DELIGHTS」のようにスゴい勢いではじけるアンディの曲に対して、そこはかとなく翳りを帯びた3曲目「KING FOR
A DAY」などコリンの曲もほどよくちりばめられ、それが絶妙のコントラストをなしています。
それにも増してカラフルさを演出するのが病的にこだわったアレンジ。よく、XTCがライヴをやらないことが取り沙汰されますが、個人的にはそれが作品に悪影響を及ぼしているとは思えません。それどころか、シングルカットされた2曲目「THE
MAYOR OF SIMPLETON」のギターの音色、ベースライン、コーラス、スネアの響かせ方等を聴くたびに、スタジオでのこだわりが見事に結実していると思います。こだわりのない豪快なライヴ感覚が魅力のバンドもありますが、XTCには逆に、徹底的にこだわって作り込んでいく魅力があると思うんです。でもライヴやるなら絶対見てみたいですが。(矛盾)
2000/09/02