テリー・ホールがブレア・ブースとアヌーシュカ・グローチという二人の女性と組んだユニット唯一のアルバム『ウルトラ・モダーンな子守唄』です。
テリーは、スペシャルズ脱退後黒人男性二人とファン・ボーイ・スリーを組み人気を博するもアルバム2枚で終了、さらにその後白人男性二人とのカラー・フィールドもやはり2枚のアルバムだけで解散してしまいました。だから、どうせこのユニットでもアルバムは2枚しか出さないんだろうなと思っておりましたが、それどころかたった1枚で終わってしまいました。でも、これ1枚っきりで終わってしまうのがもったいない、とても上質のポップアルバムに仕上がっています。
このあたりから彼は自らの方向性を見いだし、ポップ魂を炸裂させていったような感があり、特に冒頭を飾るタイトルソングはフィル・スペクターだかビーチ・ボーイズだかの安っぽいオマージュがほほえましい出色のデキです。
余談ですがテリーは、ニュー・オーダーにギリアン・ギルバートという女性がいることをヴィジュアル的に気に入っていて、自分も女性と組みたいと思ってたんだそうです。そんな結成理由の真偽のほどはともかく、美女二人に演奏させて自分はヴォーカルに専念するなんて、テリーはイイ身分ですよねぇ。
2005/12/30