THE COLOUR FIELD / VIRGINS AND PHILISTINES

(1985)

 スペシャルズ〜ファン・ボーイ・スリーを経たテリー・ホールの3つ目のグループ、カラー・フィールドの1stアルバムです。
 ファン・ボーイ・スリーが黒人男性二人とのトリオだったのに対して、今度は白人男性二人、トビー・ライオンズ(G,Kb)、カール・シェイル(B)とのトリオ。ドラムは基本的に10CCに在籍したポール・バージェスで、曲によってエコー・アンド・ザ・バニーメンのピート・デ・フレイタス、そしてプロデューサーはエコバニ、シンプル・マインズ、バウハウスなど数々のニューウェイヴ系バンドを手がけたヒュー・ジョーンズ。
 パンク〜ニューウェイヴのムーヴメントからは独特のカリスマ性を持ったアーティストがかなりの人数登場しましたが、このテリー・ホールという人もまた間違いなくその中の一人でしょう。一つのユニットが長続きせず、すぐやめて別のグループを立ち上げ、サウンド自体もコロコロ変えてしまう飽きっぽさがどうにもつかみ所がない感じなのに、なぜか妙なカリスマ性があって目が離せない存在です。ただし、孤高のカリスマというような大それた感じでは全然なく、どちらかと言うとアイドル的。
 そんな彼が、ポップでメロディアスなソングライティング能力を開花させたのはこのグループあたりからなのではないかと思います。特にアルバム冒頭を飾る3rdシングル「THINKING OF YOU」は、ボサ・ノヴァテイストを取り入れたアレンジが絶妙な、実に愛らしい佳曲。路線的には、当時はやりのネオアコ狙いだったのかも。
 このグループ、けっこうイイんじゃないかと期待してたのに、やっぱり彼は飽きっぽくって結局アルバム2枚で終了、次はテリー・ブレア・アンド・アヌーシュカを結成することになります。

2010/09/26


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