10CCの再結成第二弾です。再結成と言ってもゴドレイ&クレームは参加しておらず、エリック・スチュワートとグレアム・グールドマンの二人のユニットです。
10CCはビートルズの流れを組むアイデア豊富な実験精神溢れるサウンドが信条でした。アルバムでは、名曲中の名曲「I'M
NOT IN LOVE」収録の『ORIGINAL SOUND TRACK』が最高傑作であることに議論の余地はありません。しかしそれはあくまでゴドレイ&クレームが在籍した4人編成の時代の話です。二人になってからは、もっと純粋にポップソングを創り上げる職人といった印象が強まっており、このアルバムはそういった職人気質が色濃く出た佳作となっています。
冒頭から「平和への道のり」や「沈黙の法則」など実に端正な曲が続きます。また中盤以降の「猿と玉葱」、「BLUE
BIRD」あたりのアコースティックな曲にもベテランならではの味があります。
でも結局このグループは「I'M NOT IN LOVE」なんですね。このアルバムにもヴァージョン違いで2回も再録しちゃってます。まったく節奏がないと言うか、なりふり構わないというか…。ここでは好意的に解釈して、フッ切れてると捕らえておきましょう。(笑)
2002/04/04