NICK HEYWARD / THE APPLE BED

(1998)

 ニック・ヘイワードは、80年代初頭にヘアカット100のヴォーカリストとしてデビューし、その甘いマスクからアイドルとしての成功を収めました。ソロデビュー作の『風のミラクル』もヒットし、順風満帆のソロ活動をスタートしたかに見えましたが、その後は泣かず飛ばずでした。それでも彼は、着実にポップアーティストとしての成長を遂げており、このアルバムは彼のソロ6作目にあたります。
 もともとメロディメイカーとして非凡なものを持っていた彼ですが、前々作の『FROM MONDAY TO FRIDAY』あたりからソングライテイングに一層磨きがかかり、さらに低迷期のチープなホーンや女性コーラスを施した薄っぺらいアレンジを捨て去ったことが功を奏しました。ブリットポップの後輩たちに先輩風を吹かせるが如く派手なギターで元気一杯に始まる「STARS IN HER EYES」やしみじみとした哀愁の漂う「IN EVERY PLACE」等々、実にイギリス的なたたずまいの佳曲が並んでいます。
 でもこれ、中古盤屋で二束三文なんですよ。

2002/03/06


BACK