半沢直樹よりも・・・ 投稿者:arima 投稿日:2013/10/11(Fri) 06:43 No.1411
10月8日日本経済新聞出版社より発行された「エルピーダの戦い 不本意な敗戦」を読みました。
元エルピーダ社長坂本幸雄氏が日本の産業の将来を憂慮して、万感の思いで書き下ろした書である。
評判のテレビドラマの半沢直樹の活躍に心を動かされた人々が多い中、私はこのドラマより、坂本氏の奮闘に心を動かされました。
なぜなら、半沢直樹は「やられたら倍返し」で溜飲を下げていますが、 氏は、私利私欲なく、社員のため、債権者のため、日本の半導体のため、日本のため、に、つよい信念で成功に至らしめたからです。 特に、高い倫理感を持ち続けての経営が伺われて、爽快です。
半導体という産業であることや、経営という観点からすこしのとっつきにくさはあるかもしれませんが、一読をお勧めします。
あらすじ・・・ 韓国・中国などの台頭で日本の半導体が苦戦をする中、日立・NECのメモリー部門を統合し、 坂本氏に社長を委任し、世界のシェアーを1.9%から20%まで伸ばし、目を見張る急成長をさせたが、 リーマンショック後の景気後退、円の30%の急騰、半導体の価格急落などに見舞われ、 資金調達が困難になり、平成24年2月に倒産しました。 しかし、氏は管財人として奮闘し、一人の解雇もなく、JALよりも短期間で再生させました。 社長の受託して現在までの体験を通じ、再生に至る経緯を明らかにした書である。 国際的に日本企業の弱体化の原因を指摘し、今後への指針にもすべき方策にも及んでいる。
|