元スプリット・エンズのニール・フィンを中心に結成され、「DON'T DREAM IT'S OVER」の大ヒットを放ったオセアニアのバンド、クラウデッド・ハウスの3rdアルバムです。
元々ニールのメロディメイカーとしてのセンスはポール・マッカートニーを引き合いに出されるほどでしたが、このアルバムではニールの実兄ティムが正式メンバーとして加入したことで兄弟によるソングライティングが実現し、絶妙なコンビネイションでこの傑作を生み出すに至りました。
シングル「WEATHER WITH YOU」をはじめ、収録曲14曲全てがコンパクトにまとめられた端正な楽曲揃いで、まさにパーフェクトポップと呼ぶに相応しいデキです。個人的には2曲目「素顔の思い」あたりのメロディがツボ。
ただしビートルズ〜初期10CC〜XTCのようなストレンジな音楽的実験性はなく、アレンジについてはいたってシンプル。でもそれが別に欠点とはならず、むしろ純粋にナチュラルなメロディ勝負なのが美徳となっている点はスクィーズあたりと共通するものを感じます。実際「FAME IS」の出だしなんてモロにスクィーズだし。
残念ながらティムはこれ1枚だけで脱退してしまったため、ロック界にありがちな兄弟喧嘩でもしたのかと思いきや、その後もフィン・ブラザーズとしてコンビを復活させたりしています。
2005/03/20