SQUEEZE / FRANK

(1989)

 パンク以降登場したアーティストの中でも際だって良質のポップを創造する英国の優れたソングライターコンビ、クリス・ディフォード&グレン・ティルブルック。その二人を中心とするスクィーズが起死回生のヒット作『BABYLON AND ON』に続いて発表した8枚目のアルバムです。
 XTCとデビューの時期が近く3rdアルバムあたりまでは同系統のサウンドでしたが、本質は大違いでした。このバンドはなんと言ってもナチュラルなメロディ命なので、柄にもなくアレンジに凝ったりするとあまり良い結果を生みません。その点ではシンプルなバンドサウンドによるこのアルバムは彼らの魅力が最良の形で発揮されています。「IF IT'S LOVE」はまさにスクィーズ流ポップの完成型と言えるでしょう。また、かつてのメンバーでありイギリス国内ではテレビ番組の司会者としてお茶の間の人気者の芸人ジュールス・ホランドが復帰したことも功を奏しています。「Dr.JAZZ」などはジュールスなしでは出せない味です。
 でもスクィーズは永遠のB級バンド、決してディフォード&ティルブルックをレノン&マッカートニーと比べてはいけません。
 

2003/03/21


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