R.E.M. / DOCUMENT

(1987)

 今やアメリカを代表するバンドどころか、世界で最も重要なロックバンドになったらしいR.E.M.の5枚目のアルバムです。
 元々評論家うけが良く、カレッジチャートでも人気ナンバーワンのバンドでしたが、7曲目の「THE ONE I LOVE」がシングルヒットしたことを足がかりに、商業的にも成功を収めるようになりました。ピーター・バックのパワー全開のギターが圧倒的な1曲目「最高級の労働歌」のイントロを聴いただけで、充分その後の快進撃の予感がします。また、マイケル・スタイプのあくの強いヴォーカルには訳の分からないカリスマ性があり、彼が早口で歌う7曲目「世界の終わる日」はライブで大合唱になります。さらに、5曲目の「STRANGE」はなんとワイアーのカヴァーで、思わぬルーツの一端がうかがえます。
 しかしこのバンドには商業的成功などという言葉は似合いません。大手ワーナーと契約し大ブレイクしてからも、成功に背を向けるかのようなスタンスで活動を続けています。そのあたりは、同じバンド編成で同様にブレイクし、どんどんド派手になっていったU2とは違います。
 このアルバムの頃からR.E.M.にハマった私は、ついついこのバンドにギターサウンドを期待してしまいますが、最新作の『REVEAL』ではもはや別世界に突入しています。バーズ ミーツ ベルベッツと言われていた彼らが、いつのまにかビーチ・ボーイズに?

2001/12/25


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