U2 / WAR

(1983)

 アイルランドが生んだ世界最強のバンド、U2の3rdアルバム『闘』はソリッドなサウンドの多かった80年代の中でも飛び抜けてソリッドな傑作です。
 ともかくこの時期のU2は異常に緊張感のある音を出しています。のっけからイントロのラリー・ミューレンJr.のドラムに耳を奪われる名曲「SUNDAY BLOODY SUNDAY」で幕を開け、これまた名曲の「NEW YEAR'S DAY」や「TWO HEARTS BEAT AS ONE」等々全編通してエッジのあまりにもシャープなギターが全開です。これはもちろんデビュー当時からプロデュースを手がけてきたスティーヴ・リリィホワイトの功績でしょう。そのまるで鋭利な刃物のようなサウンドに乗せてボーノのアイリッシュスピリット溢れるヴォーカルが炸裂するのがたまりません。
 U2はその後ブライアン・イーノとダニエル・ラノアをプロデューサーに迎えて奥行きのあるサウンドを獲得し、80年代を代表する名盤『THE JOSHUA TREE』によってスタジアム級のバンドにのし上がっていきますが、個人的にはこのバンドに深みのあるサウンドなど期待していないので、私がホントにU2にしびれたのはこの3rdアルバムまででした。もちろんそれはあくまで好みの問題であって、U2自体の持つ大衆を扇動するパワーは今でもスゴいと思います。テロのあとに行われた去年のスーパーボウルのハーフタイムショーは圧巻だったし。

2003/02/17


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