元ジャパンのデイヴィッド・シルヴィアンとキング・クリムゾンのロバート・フリップのコラボレイションによる唯一のアルバムです。
当時クリムゾンが再々(?)結成するという噂が飛び交っており、実際フリップはシルヴィアンにクリムゾンへの参加を依頼したようなので、これが新生クリムゾンってことになるかと思いきや結局別プロジェクトでしたが、最高のサウンドが完成しました。
どの曲にもこの二人が組んだからこその異化作用が生じており、コラボレイションとしての必然性が感じられます。コラボレイションとか言いながら、実はただ単にどちらかの作品にもう一方が演奏で参加しただけのような印象のものが横行する昨今ですが、この作品は真の意味でのコラボレイションと呼べるのではないでしょうか。
例えば冒頭の「GOD'S MONKEY」。シルヴィアンの1stソロの「PULLING PUNCHES」あたりを彷彿とさせるリズムで始まりながら、それに乗って現れるギターのフレーズは紛れもなく『DISCIPLINE』を経たフリップのプレイで、さらにヴォーカルはもちろんシルヴィアン節、…というように見事に双方のおしいいところがミックスされています。2曲目「JEAN
THE BIRDMAN」以降についても然りで、特に6曲目の「DARSHAN」なんて絶対にどちらか一方だけでは創り出し得ないサウンド。ジャケットに写った二人の満面の笑顔を見ていると、本当に二人ともこのクリエイティヴな関係を心から楽しんだんじゃないかと思ってしまいます。
この後満を持して再々結成されるクリムゾンのほとんど様式美と化したサウンドとは違った次元の傑作。
2006/09/01