元ジャパンの中心人物デイヴィッド・シルヴィアンがジャパン解散後に発表した1stソロアルバムです。
この人、非常にアーティスティックなものに対する嗅覚が鋭く、センスがイイんですが、皮肉にもそれが私の中で彼に対する評価を下げてしまっています。つまり彼の作品にあまりにもアートなものへのオマージュ的傾向が色濃く出ているため、逆に彼自身が似非アーティストのように思えてしまうのです。例えばこのアルバムの3曲目のタイトル「NOSTALGIA」なんてタルコフスキーが好きなのは分かるけど露骨過ぎます。また、ポラロイドの写真展などをやったりしたことも似非アーティストっぽさを助長したような気がします。
そうは言ってもイイものはイイ!冒頭の「PULLING PUNCHES」の革新的なリズムといい1stシングルとなった4曲目「RED
GUITAR」の独特のアコースティック感覚といい、この人の描き出す音世界はあの独特の声と相まって実にオリジナリティに溢れています。
ソロ活動以外に、カンのホルガー・シューカイやキング・クリムゾンのロバート・フリップといったプログレ系のカリスマたちとコラボレイトしていますが、それもまたオマージュの一環?
2003/03/22