STEVE HACKETT / SPECTRAL MORNINGS

(1979)

 ジェネシスを脱退し順調にソロ活動に入ったスティーヴ・ハケットの3rdアルバム『虹色の朝』です。
 前作ではアメリカンプログレッシヴの雄カンサスのメンバーやソウルフルな黒人ヴォーカリストなどをゲストに迎え、どちらかと言うとアメリカナイズされたポップさを前面に出した感がありましたが、本作では軌道修正を行っているようです。
 例えばインストゥルメンタルの名曲「CLOCKS」はプログレファンのハートをわしづかみにする展開だし、タイトル曲のエモーショナルなギターはまさにハケット節で、『静寂の嵐』あたりに収録されていてもおかしくないナンバーです。さらに「THE BALLAD OF THE DECOMPOSING MAN」のユーモラスな曲調には生粋の英国人気質が感じられます。それにしてもタイトル曲の余韻をぶち壊すラストのしつこい咳払いは?あれもまた一筋縄じゃいかない英国人だからこそ収録しちゃったんでしょうか?(笑)
 というような感じで、本家ジェネシスがポップ化を図る一方で、元メンバーのスティーヴは往年のファンに充分アピールする作品を世に放ったわけです。

2006/04/10


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