アンソニー・フィリップスの『PRIVATE PARTS & PIECES』シリーズの2作目にあたり、ジェネシス脱退後の1972年から1979年までに録音された、インストゥルメンタル曲中心のアルバムです。
静かな隠遁生活がかいま見られるような第1作と比べると、こちらは曲によってはバンド形式の曲も含まれています。特に冒頭の「SCOTTISH SUITE」という組曲のオープニングを飾る「SALMON
LEAP」。ベースをジェネシス時代の盟友マイク・ラザフォード、ドラムを元キング・クリムゾンのアンディ・マックロクが担当しており、エモーショナルなエレキギターの泣きが印象的なプログレッシヴな曲調は、『SIDES』に収録されてもおかしくないどころか、まるで中期ジェネシス。そのため、シリーズの中では最も起伏に富んだ構成となりました。
とは言え、全編通して聴けば結局しみじみとしたアンソニーの世界で、静かに書き貯めてきた習作が日の目を見たといった趣は前作同様です。
ファンタジックなジャケットは、おなじみピーター・クロス。
2006/10/01