アンソニー・フィリップスのライフワークとも言える『PRIVATE PARTS & PIECES』シリーズの第1作です。
発表こそ1979年ですが、ジェネシス脱退後の1972年と『THE GEESE & THE GHOST』でソロとして再出発する直前の1976年に制作されたもので、ほとんどがインストゥルメンタル曲です。
ショパンのノクターンを聴きインスパイアされて作ったという冒頭の「BEAUTY
AND THE BEAST」が、習いたてとは思えない流麗なタッチのピアノで始まり、一気に叙情的世界へと誘います。続く2曲目「FIELD
OF ETERNITY」はクラシックギターによるソロですがマイク・ラザフォードとの共作で、ボツになったジェネシスの曲の断片も含まれているらしく、そういった点でも興味深い曲です。個人的なイチオシは明るいコードストロークで始まるアナログ盤B面トップの「REAPER」。本人は芝居の宴会の場面に最適と言っており、具体的にはかの『マクベス』を想定しているようですが…どうなんだろ?
それにしても、こんな発表することを前提とせずに創作されたと思われる個人的な習作の寄せ集めが、まさかシリーズ化されコンスタントに10枚以上も出るようになるなんて。(嬉)
2004/12/19