ソフト・ボーイズ以降もエジプシャンズを率いるなど、地道に創作活動を続けるカルトヒーロー、ロビン・ヒッチコックのソロ名義のアルバムです。
パンク以降のブリティッシュポップシーンにおいて、コリン・ニューマンやジュリアン・コープなど、伝説のサイケデリックスター、シド・バレットの再来と言われたアーティストは何人かいますが、ロビンはその筆頭。基本的に持って生まれた資質がかなり近いんじゃないでしょうか。意識しているいないに関わらず、メロディなどから醸し出される雰囲気が、ナチュラルにシドっぽいんです。
ソロ名義なので必ずしもバンド形態をとっておりませんが、かえってマッドさは強調されているような気がします。ストリングスをバックに歌う「SINISTER
BUT SHE WAS HAPPY」やアコースティックギター弾き語りの「THE DEVIL'S RADIO」など、アレンジは様々ですが、ドコを切ってもロビンならではのサイケデリックポップワールド。
自殺未遂だとか精神病院入院だとか、ヤバい経歴が紹介されたりするわりには、意外と多作で長続きしてます。今後もこっち側の世界に踏みとどまって、マッドでポップな作品を出し続けてもらいたいものです。
2005/06/30