FOREIGNER / 4

(1981)

 デビュー以来常にヒット街道をばく進して来た英米混成バンド、フォリナーの4thアルバムです。
 タイトルの『4』という数字は、4枚目のアルバムであると同時に、メンバーが6人から4人になったことも表しています。リストラされた2人のうちの片方は、あのキング・クリムゾンのオリジナルメンバー、イアン・マクドナルド。デビュー当時は元スプーキー・トゥースのミック・ジョーンズと二大巨頭的な存在だったハズが、主導権争いに負けてついに追い出されてしまったようです。でも、とっくにミック中心の体制は確立しており、サウンド面でのマイナス要素はまったくありません。それどころか内容、セールスともに最高傑作と言えます。
 ハードなリフや軽快なノリの曲がある一方で、同時代にチャートを賑わしたスティクスカンサスにも通ずるドラマティックな曲や、しっとりとしたメロディが耳に残る史上最強のNo.2ソング「WAITING FOR A GIRL LIKE YOU」等々ヴァラエティに富んでいますが、その全てがルー・グラムのヴォーカルを活かしたフォリナー節。中でもアナログ盤B面1曲目収録の先行シングル「URGENT」のタイトでモダンなポップサウンドには、同年に出たジェネシスの「ABACAB」にも共通した80年代を切り開く勢いが感じられます。
 なりふり構わずヒットを狙う産業ロックバンドとしてアメリカのチャートに君臨しましたが、翳りを帯びたメロディラインにはイギリス的なアイデンティティがしっかりと感じられます。それこそバンド名の意味するところでしょう。

2004/09/19


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