イギリスのプログレと比べるとアメリカのプログレはとても明快です。スティクスはそんなアメリカを代表するプログレバンドで、これはその7枚目にして出世作となったアルバムです。
スティクスにはデニス・デ・ヤング、ジェイムス・ヤング、トミー・ショウという三人のソングライター兼ヴォーカリストがおり、三者三様の個性を発揮しています。デニスがメロディアスな曲を書く一方で、ジェイムスはハードなサウンドを得意としており、さらに前作から参加したトミーも両者とはまた違ったポップな曲を書きます。これだけ各人の方向性がバラバラであるにも関わらず、アルバム全体は散漫な印象を受けるどころか、スティクスサウンドというものがちゃんと確立されているのが驚きです。
最大の聴きどころは、このアルバムが売れるきっかけともなったデニス作のヒットシングル「COME
SAIL AWAY」でしょう。クイーンの「BOHEMIAN RHAPSODY」を思いっきり単純にしちゃったようなこの曲こそ、分かりやすいアメリカンプログレの象徴のような名曲です。単純明快って時点で「ドコがプログレ?」という疑問もありますが…(笑)
2002/08/28