MTVの嵐が過ぎ去った80年代終わりから90年代初頭にかけて、英米ともにコマーシャリズムとは無縁の良質のポップがいくつか生まれています。ジェリーフィッシュ、ライトニング・シーズ、ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツなどは一部のポップマニアに歓迎されました。特にこのスティーヴン・ダフィ率いるライラック・タイムの3rdアルバムはXTCのアンディ・パートリッジがプロデュースしたことによって、静かに絶賛された名盤です。
元々良いメロディーを書く資質はあったものの、ネオアコ的なアレンジがややもの足りず、本人のルックス同様線の細いイメージだったため、もうちょっとスパイスが効いていればと思っていましたが、まさにその贅沢な望みを叶えてくれたのがアンディのプロデュースです。「FIELDS」、「ALL
FOR LOVE & LOVE FOR ALL」と続く1、2曲目は文句のつけようのないブリティッシュポップの名曲に仕上がっています。
この頃のアンディはピーター・ブレグヴァド、マーティン・ニューウェルと立て続けに他人のプロデュースを引き受けていました。ヴァージンから干されててヒマだったのかな?
2003/01/22