JELLYFISH / SPILT MILK

(1993)

 90年代初めにデビューし、そのカラフルなサウンドでポップマニアに大歓迎されたジェリーフィッシュの2ndアルバム『こぼれたミルクに泣かないで』です。
 アンディ・スターマー&ロジャー・マニングのソングライターコンビが書くアメリカのバンドらしからぬ独特の曲調は名盤の誉れ高いデビューアルバム『VELLYBUTTON』で既に確立していましたが、3年後に発表されたこのアルバムではさらなる進歩が伺えます。1曲目なのにいきなりタイトルが「おやすみ」ということからして人を食ったところがありますが、それに導かれて始まる2曲目「ファンクラブに入るなら」の大胆な展開には確信犯的なふてぶてしさを感じます。なにしろこの曲、ヴォーカル、コーラスワーク、ギターサウンドなどどう聴いてもクイーンなのです。以下続々と続くブリティッシュポップへの憧憬を露わにした楽曲群を聴いているとつくづくこのバンドって突然変異だなぁと思ってしまいます。
 2枚連続で傑作を出してくれたのでその後の活動を非常に期待しましたが、あっけなく解散してしまいました。イタチの最後っ屁のごとくデモトラック集を出したのも考えてみればXTCのマネだったのかな?

2003/03/25


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