STEVE HACKETT / VOYAGE OF ACOLYTE

(1975)

 ピーター・ゲイブリエル脱退というお家騒動の間隙を縫ってちゃっかり出たスティーヴ・ハケットの1stソロアルバム『侍祭の旅』です。
 ここで聴かれるサウンドは、一ギタリストの片手間のソロアルバムと言うにはあまりにも完成度が高く、プログレッシヴロックというカテゴリーの中でもそこそこ名盤と言えます。ヘタすると本家の『そして3人が残った』あたりよりは良いデキかも。こんな傑作を、本家ジェネシスが微妙だった時期に創り上げてしまうとは、スティーヴってなんてクールな奴なんでしょう。
 フィルとマイクという本家のリズム隊を従えて、スピード感溢れる「ACE OF WANDS」で幕を開け、実弟ジョン・ハケットのフルート等を交えたり、マイク・オールドフィールドの姉サリー・オールドフィールドをヴォーカルに起用して叙情的に盛り上げたりと、起伏に富んだアルバム構成になっています。
 これほどの作品を見事にものにしたことによって自信をつけたのか、彼はその後本家をアルバムたった2枚で脱退、4人体制のジェネシスはあっけなく終止符を打ってしまいました。
 ちなみにジャケットデザインはこの時点から既にキム・プーア夫人。

2004/12/08


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