5人組だったジェネシスですが、ピーター・ゲイブリエルが抜けて4人に、そして今度はスティーヴ・ハケットが抜けて3人になってしまいました。邦題もズバリ『そして三人が残った』。
徐々にポップ化路線を突き進んでいく彼らですが、このアルバムにおける特徴的な変化としては、曲が一気にコンパクトになっていることでしょう。ほとんどの曲が3〜4分程度にまとまっています。その中でも特にアルバムのラストを飾る「FOLLOW
YOU FOLLOW ME」は、かつてのエキセントリックなジェネシスでは考えられない非常にソフィスティケイトされたポップソングで、アメリカでもシングルヒットしています。一方それまでのジェネシスが持っていた叙情的な面もコンパクトな楽曲にしっかりと生かされており、「UNDERTOW」や「銀世界」等で醸し出されるしみじみとした情感には素直に泣けます。
ただ、本格的にポップというにはまだまだサウンド面で吹っ切れていないため、いわゆる過渡期の作品と言えるかもしれません。とりあえず、パンク〜ニューウェイヴ台頭という、プログレ組にとってキツい時代を乗り越える第一関門を突破した点を評価しましょう。
2004/03/01