TRAVELING WILBURYS / VOLUME ONE

(1988)

 メンバー全員がウィルベリーの姓を名のるこのトラヴェリング・ウィルベリーズは、実はとんだビッグネームによる覆面バンドでした。ジョージ・ハリスンの『CLOUD NINE』からの第3弾シングル、「THIS IS LOVE」のB面用の新曲を録音するためにプロデューサーのジェフ・リンをはじめ、大御所ロイ・オービソン、ボブ・ディランそしてトム・ペティという蒼々たる顔ぶれが集まったところ、そのまま勢いでバンドを組んじゃったようです。そのB面予定曲「HANDLE WITH CARE」は結局このバンドの第1弾シングルとなり「THIS IS LOVE」よりもヒットしてしまいました。
 これほどのスゴいメンバーにもかかわらず、本来の目的が和気藹々のセッション感覚だったため、サウンドはいたってリラックスムード、特に上述の「HANDLE WITH CARE」は全員がヴォーカルを分け合っており、実にイイ雰囲気に仕上がっています。また、ロイがリードヴォーカルをとった5曲目の「NOT ALONE ANYMORE」は、ほどなく本人が死亡してしまったため、期せずして絶唱モードで泣けます。
 その後、急死したロイの後任、これまた大御所のデル・シャノンがこともあろうにライフル自殺。リラックスムードとはほど遠い呪われたバンドになってしまいました。でも残った4人はめげずに続編を発表し、これがまたイイ感じ。

2003/02/13


BACK