元スキッズの故スチュアート・アダムソンが結成した4人組、ビッグ・カントリーの1st『インナ・ビッグ・カントリー』です。このデビューアルバムから既に出身地であるスコットランドという土地柄を色濃く反映したオリジナリティに溢れたサウンドを生み出しており、実に魅力的な1枚となっています。
まず、なんと言ってもギターサウンド。スコットランドの民族楽器であるバグパイプを模した甲高い音色で民謡調のフレーズを弾きまくります。それが昨今のケルトブームとはまったく違う次元で豪快に鳴り響くのを聴いていると、思わず胸が熱くなります。次にマーク・ブレゼジッキーのドラム。豪快なパターンを繰り出し、まるでスコットランドの大地を揺るがすかのようなグルーヴ感をもたらしており、聴いている者の胸を弾ませます。さらにスティーヴ・リリィホワイトのプロデュース。同時期のU2の『WAR』やシンプル・マインズの『SPARKLE IN THE RAIN』同様、ドラムのゲイトリヴァーブをはじめとするソリッドな音作りは80年代サウンドそのものと言っても過言ではないでしょう。
ともかく、彼らのテーマ曲とも言える1曲目の「IN A BIG COUNTRY」にすべてがつまっています。これほど聴く者の精神を高揚させる曲はそうそうありません。あぁ、それなのにスチュアート…、早過ぎる死が惜しまれます。合掌。
2002/09/01