スラップ・ハッピーのアンソニー・ムーアが、ドイツのポリドール時代を経てヴァージンと契約し録音したアルバムです。
それまでのあまりにも実験的だったソロ作からは考えられない実にポップな内容で、エキゾチックなイントロでゆる〜く始まる1曲目「STITCH
IN TIME」などはビル・ネルソンに近いものを感じます。ただし根が前衛キャラなので、バックで聞こえるギターの音色が微妙にトゲトゲしかったりするミスマッチ感覚がたまりません。そのギターを弾いているのはポリス加入前のアンディ・サマーズ(?)。その他スラップ・ハッピーの同僚ピーター・ブレグヴァドはもちろん、ケヴィン・エアーズも参加しています。
それにしてもこの人、ただでさえ寡作の上にやたらとお蔵入りの憂き目に遭っています。初期の3枚はその前衛的な内容から考えてやむを得ないと思いますが、このアルバムまでお蔵入りとは解せません。77年に完成していながら、日の目を見たのはなんと20年後の97年。ワインじゃないんだからそんなに寝かせてもしょうがないと思うんですが…。(苦笑)
2004/08/18