元ウルトラヴォックスの中心人物ジョン・フォックスのソロとしての時期の違う二つの貴重なライヴ音源('83&'97)の2枚組です。
DISC 1はタイトルからも判るように3rdアルバム『THE GOLDEN SECTION』発表後のツアーで、ウルトラヴォックス時代からの片腕ロビン・サイモンがギターで参加しており、ちゃんと『SYSTEMS OF ROMANCE』からも2曲選曲されています。そしてラストを飾る2ndアルバムタイトル曲、必殺の「THE GARDEN」。もはやこの荘厳なサウンドに身を委ねるしか術はありません。
DISC 2はルイス・ゴードンなる相棒を得て久しぶりのオリジナルスタジオアルバム『SHIFTING CITY』を1995年に発表した後のライヴ。二人だけでシンセを並べて演奏しています。往年の名曲と並んで新譜からも4曲を披露。特にそのタイトル曲は、ビートルズの「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」や「I AM THE WALRUS」あたりをテクノモードに変換したかのような目くるめくエレクトロサウンドで、実に8分半を越えており、スタジオヴァージョンをはるかに凌ぐ圧倒的なデキに幻惑されます。彼のビートルズに対するオマージュを垣間見られる点でも大収穫。また、1stアルバム『METAMATIC(メタル・ビート)』収録の傑作シングル「UNDERPASS(錆びた地下道)」のリメイクは「OVERPASS」と改題され、より近未来的なサウンドで蘇っています。タイトルを「UNDERPASS
'97」としないところがミソ。(?)
…と言うあまりにもすばらしい2枚組。なぜ今頃こんなものが出たんでしょう?とりあえず感謝!
2004/01/26