BOSTON / DON'T LOOK BACK

(1978)

 アメリカンプログレハードというムーヴメントの中でスティクスカンサスと同時期に大成功を収めたボストンの2ndアルバム『新惑星着陸』です。
 一応バンドの形態はとっていますが、ほとんどマサチューセッツ工科大学出身の才人トム・ショルツのワンマンバンド。作詞、作曲はもちろんアレンジも手がけ、ギター、キーボードを演奏し、プロデューサー、エンジニア、ミキサーの役割を一人で担っています。
 ディストーションのかかったギターを幾重にもオーヴァーダビングしたギターオーケストレイションが炸裂する1曲目のタイトル曲を始めとして、1stアルバムで確立したボストンサウンドここに極まれりといった爽快な名曲が続きます。ハードエッジなドライヴ感溢れるA面の流れのラストを飾るバラード「A MAN I'LL NEVER BE」もまた感動的です。
 私はこういったハードなアメリカンロックは基本的には苦手なんですが、決してラフな音ではなく、すべてトムのコントロール下におかれ完璧に制御されたサウンドである点に魅力を感じます。荒っぽいふりして実は繊細なんです。
 その後トムがロックマンとかいう機材を発明し特許をとったため、バンド活動は開店休業状態を続けますが、忘れた頃にアルバムを出してくれます。25年間でオリジナルアルバムたった4枚という超スローペース。

2002/06/29


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