U.K. / DANGER MONEY

(1979)

 プログレの残党が集まって結成されたスーパーグループ、U.K.でしたがアルバムたった1枚でジョン・ウェットン、エディ・ジョブソン組とビル・ブラフォード、アラン・ホールズワース組に分裂してしまいました。これは分裂後に発表した2ndアルバムです。ドラムにはフランク・ザッパ門下生のテリー・ボジオが加入しましたが、ギタリストは入れずキーボードトリオの編成となっています。
 80年代を目の前にして、パンク〜ニューウェイヴの嵐が吹き荒れていた当時のイギリスのミュージックシーンにおいて、このサウンドはあまりにも無謀です。本来の意味でのプログレッシヴな姿勢は微塵もなく、いわゆるプログレ然とした様式美の世界がここにあります。これはパンク世代から完全否定された側であるジョン・ウェットンの意地でしょうか。自分の信ずる道を貫いたと言えば聞こえはいいですが…。
 もちろんプログレファンにとっては痒いところに手が届く垂涎のサウンドで、1曲目のタイトル曲からしてまさに注文通りの展開。2曲目「RENDEZVOUS 6:02」や「NOTHING TO LOSE」など名曲揃いで、時代背景を度外視すれば間違いなく傑作です。
 それにしてもこのグループ名、安易ですよね。ブリティッシュロック魂を感じますが、次はなぜかエイジアだし、さほど深い意味はなさそうです。
 

2003/01/19


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