ニヒルな一発屋?ブラックのデビューアルバムです。
ブラックは、リヴァプール出身のコリン・ヴァーンコム一人のプロジェクトです。イギリス北部の地方都市出身で歌心のあるアーティストという点では、ダニー・ウィルソンと近いものがあるかもしれません。ただ、あちらはあくまでバンドであるのに対してこちらは一人なので、リズムなどは打ち込みを使っており、サウンド的には硬質でクールな印象を受けます。メロディもそこはかとなく翳りを帯びた曲が多く、アルバム全体になんとも言えない哀愁が漂っています。その特徴が最も顕著なのが1曲目のアルバムタイトル曲でしょう。淡々としたサウンドに乗せて歌われるタイトルが逆説的に聞こえて、切なくなってしまうという卑怯な魅力があります。
でも、こんなにかっこいい作品で華麗にデビューしたにもかかわらず、2ndはクサい歌謡曲風に成り下がってしまいました。元々そういう要素を持っていたのかもしれませんね。がっかりです。
2002/01/13