キュアーは、暗いイメージで捉えるととびきりおちゃめでユーモラスな曲があり、じゃあひょうきんなのかと思うとやっぱり根は暗かったりする不思議なバンドです。というか、それは中心人物のロバくんことロバート・スミスのキャラそのものです。その二面性のうち、暗くて重い面ばかりがアルバム単位で強調されると個人的にはキツいこともあります。
そういった点でこの10作目はブラスやストリングスを効果的に取り入れたカラフルなサウンドで、キュアーの様々な魅力を一気に味わうことができる重宝な一枚です。私は元々「THE
CATERPILLAR」や「THE LOVE CATS」といったコミカルなシングルが好みですが、4曲目の「THE
13TH」はまさにそういったタイプの曲で先行シングルとなっています。他にもメランコリックな「THIS
IS A LIE」や元気いっぱいの「MINT CAR」等々、実にバラエティに富んだ内容です。
いびつなポップのオンパレード状態という点では意外にXTCの「ORANGES & LEMONS」あたりに近いような感じもします。そう言えばロバくんもアンディ同様、メンバーを追い出した上にクソミソにののしったりしてるなぁ。(苦笑)
2003/05/20