KILLING JOKE / WHAT'S THIS FOR...!

(1981)

 ポストパンクの中でも、コワモテのキャラで異彩を放つキリング・ジョークの2ndアルバム『リーダーに続け!』です。
 同時代のジョイ・ディヴィジョンがあまりにもピュアで壊れやすい美しさを持っていたのに対し、キリング・ジョークの場合は殺しても死なないような強靱さがあります。それはまず、中心人物ジャズ・コールマンのふてぶてしさに起因します。この人のライヴにおける存在感は圧倒的で、さながら新興宗教の教祖です。さらにこのアルバムにはまだ、セックス・ピストルズのシド・ヴィシャスにウリふたつでクローン・シドの異名をとったもう一人の中心人物、”ピッグ”ユース・マーティンも在籍しています。こんなキャラが揃っているのだから、バンド自体にスゴいカリスマ性があるのは当然でしょう。
 アルバム全体が原始的かつ呪術的なビートに支配されており、特に2曲目の「TENSION」のリズムパターンは強制的に信者を踊らせるパワーがあります。
 その後サウンドをソフィスティケイトした結果、現代的なダンスビートを取り入れた「LOVE LIKE BLOOD」というヒットを放ちますが、元々の信者は複雑な心境だったかも…。個人的には、強制的に踊らせるというコンセプトはそのまんまなので全然OKでした。

2002/11/16


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