VISAGE / SAME

(1980)

 80年代初頭のロンドンで夜の帝王として君臨したニューロマンティックシーンのアイコン、スティーヴ・ストレンジを中心としたプロジェクト、ヴィサージの1stアルバムです。
 このプロジェクトを始動するにあたって、スティーヴのクラブDJ仲間だった元リッチ・キッズのラスティ・イーガンが、自分のバンド繋がりで知り合いを招聘したようで、結果としてウルトラヴォックスとマガジンの夢のコラボが実現し、ニューロマのムーヴメントを代表する作品が生み出されました。
 キラーチューンの「Fade To Grey」をはじめとしてアルバム自体のデキもすばらしいのですが、最大の収穫は、ジョン・フォックスの脱退によって開店休業中だったウルトラヴォックスのビリー・カーリーが、次のフロントマンとしてミッジ・ユーロをリクルートしたことかも。それによってウルトラヴォックスはジョン在籍時以上の成功を収め、このヴィサージ以上にヒット作を連発していくことになります。
 逆に中心人物だったスティーヴの方は、ニューロマのブームが去った後は泣かず飛ばずで、後年テレタビーズ人形を万引きして捕まるといった事件も起こしたそうで、明暗を分けてしまった感じです。(苦笑)

2011/09/01


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