パンクのムーヴメント以降のイギリスのニューウェイヴの中でもひときわ異彩を放ったバンド、マガジンの3rdアルバムです。
元バズコックスのハワード・ディヴォートが、ピート・シェリーと袂を分かち結成しました。ほとんどの歌詞を彼が手がけており、当時はベケットやカフカと比較されるほどの評価を受けたそうです。本来内省的な文学青年タイプの彼がエキセントリックに炸裂する様子には、同時代に活躍した(?)ジョン・フォックスあたりに共通するカリスマ性を感じます。
だからと言って、決して彼のワンマンバンドにならないのは、他のメンバーたちの紡ぎ出すサウンドがイチイチかっこイイからでしょう。デイヴ・フォーミュラのキーボード、バリー・アダムソンのベースなど、ひとりひとりのプレイの魅力について語っていたらキリがありませんが、どうしても紹介したいのはギターのジョン・マクガフ。そのあまりにもソリッドなプレイは、なぜか私の琴線に触れてしまうのです。マガジンの後もあちこちから引っ張りだこで、スージー&ザ・バンシーズ、ピーター・マーフィーのソロ、P.I.L..などに参加しました。
2002/01/06