これは50年代のアメリカのロックン・ロールやカントリーなどが大好きなイギリス人ニック・ロウが、前作に引き続いてカウボーイ・アウトフィットというふざけた名前のバンドを従えて発表したゴキゲンなアルバムです。
イントロから調子のいいオルガンが印象的な1曲目に始まり、すべての曲が初めて聴いてもどことなく懐かしいような気がする曲ばかりで、妙に耳に馴染みます。特に盟友とも犬猿の仲ともいわれるデイヴ・エドモンズ作の7曲目の「I
KNEW THE BRIDE(WHEN SHE USED TO ROCK'N'ROLL)」は、当時売れっ子だったヒューイ・ルイスがプロデュースし、日本でもコパトーンのコマーシャルで使われたため、妙な売れ方をしました。
アルバム同様この人自身もまたゴキゲンな人物です。親日家なのか比較的しょっちゅう来日しています。バンドは連れてきたり、来なかったりですが、アコースティックギター1本でもインチキロックンローラーぶりを発揮して客を楽しませてくれます。この流しのようなフットワークの軽さやジャケットのニヤけた顔からイメージするのは難しいですが、実はこの人にはスゴいカリスマ性を感じます。
最近のアルバムにはジャズっぽい曲もあり、これがまたインチキくさくてタマりません。でも、案外本人は真剣にやってたりして…。
2000/09/10