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ピーター・ハミル率いるヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイターからヒュー・バントンとデイヴィッド・ジャクソンが脱退した代わりにニック・ポッターが復帰し、さらに元ストリング・ドリヴン・シングのヴァイオリン奏者グレアム・スミスが新加入したのを機に、バンド名からジェネレイターを外しヴァン・ダー・グラーフとして再出発を図ったアルバム『静寂／歓喜』です。
表ジャケには『THE QUIET ZONE』、裏ジャケには『THE PLEASURE DOME』と、それぞれ別のタイトルが表記されており、アナログ盤時代にはA面とB面が別のコンセプトの扱いでした。
パンクの嵐が吹き荒れる中、キーボード奏者のヒュー・バントンが抜けたこともあって、非常にソリッドかつタイトなアレンジのコンパクトな楽曲が目立ちますが、結局ハミル節が炸裂しており、随所でいつもの咆哮が堪能できます。と言うか、演奏が研ぎ澄まされた分、今まで以上にスリリングな瞬間が味わえます。特に、グレアム・スミスのヴァイオリンがすばらしい効果を上げている「CAT'S
EYE/YELLOW FEVER(RUNNING)」の緊張感はただごとではありません。また、このアルバム中では最も長い「LAST FRAME」のドラマティックな展開も特筆すべきものがあります。
この後バンドはチェロ奏者チャールズ・ディッキーを加え、制御不能のパワーを爆発させた怒濤の音質劣悪２枚組ライヴ『VITAL』を発表し、その伝説的な活動に終止符を打ちました。…が、2005年に奇跡の復活を遂げ、それがまたすぐ伝説に。（笑）
2007/10/01