GENESIS / THREE SIDES LIVE

(1982)

 ジェネシスは長いキャリアの節目節目で、各時期を総括するようなライヴ盤を出しています。このアメリカや日本で出た『3X15』という変則的な2枚組は、3人体制になってから大胆なポップ化を図り、本国のみならずアメリカでも着実にセールスを伸ばしてきた時期のアルバムです。
 『ABACAB』発表後のツアーを中心に編集しているため収録曲は当然そこと前作『DUKE』からがほとんどで、1枚目では勢いのあるポップな演奏を聴くことができます。でもなんと言ってもハイライトは2枚目の「囚われのレエル」から「AFTERGLOW」に至る往年の名曲メドレー。特に中盤のスリリングなインストゥルメンタルパートは圧巻です。
 そしてこのアルバムのもう一つの聴き所はアナログ盤D面に収録された、CDの時代ならボーナストラック扱いであろうスタジオ録音5曲。特に1〜3曲目は『ABACAB』のどの曲と比べても遜色ないデキです。ただし、それらを『3X3』というEPで出したイギリスだけはちゃんとD面にもライヴが収録されており、これがまた蔵出し音源的な往年の名曲ばかり。つーことで、どっちの盤を買うか迷った挙げ句どっちも買うハメに…。(苦笑)
 この充実した2枚組、内容は文句なしですが、敢えて苦言を呈すればジャケットデザイン。ジェネシスのアルバム中最も手抜きでつまらないと言わざるをえません。あのカラフルな『ABACAB』をデザインした人と同じとは意外。

2004/09/01


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