純英国産のバンドだったジェネシスですが、80年代に突入するとともに全米にもアピールするスケールの大きなバンドへと変貌を遂げ、商業的な成功を得る足がかりをつかみました。ここからジェネシスの怒濤の快進撃が始まったのです。
前作で3人組となったのをきっかけにポップ化の兆候を見せていましたが、このアルバムでもその方向性をさらに押し進め、「君のTVショウ」や「誤解」といったシングル曲をはじめ、これまでにないほど抜けの良い明るいサウンドの曲が並んでいます。では、露骨にヒット狙いかというとそんなことはなく、ちゃんと1〜3曲目がメドレーになっていたり、そこで使われたフレーズがエンディングにも再度登場するなどアルバム全体にトータル性を持たせており、完成度の高い作品となっています。そういった点ではギリギリのところで往年のファンにもアピールするものがあるかもしれません。特に「DUKE'S
TRAVELS」から「DUKE'S END」になだれ込むエンディングは圧巻です。
それにしても80年代になってからピークを迎えるプログレバンドなんて他にありませんよね。あ、もう既にプログレではないか。
2003/01/01