THE KING OF LUXEMBOURG / “SIR”

(1988)

 特定のレーベルがブームになることがあります。ラフ・トレード然り、4AD然り、ZTT然りです。そしてこのサイモン・フィッシャー・ターナーのソロプロジェクトであるキング・オヴ・ルクセンブルグは、これらのレーベル同様ちょっとしたブームになったエルというレーベルに所属していました。
 さて内容の方ですが、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような印象を受ける、実にヘンテコなポップです。1曲目からおもちゃのラッパのような音色のイントロで始まります。とてもまじめにやっているとは思えないんですが、なぜか憎めないかわいらしさがあります。それは7曲目のタイトル「TURBAN DISTURBANCE」のような言葉遊びにも表れています。
 そしてそれは、そのままサイモン自身のキャラクターにも当てはまります。ジャケットの騎士の扮装をした本人のたたずまいは、なにやら確信犯めいたおふざけ具合であるにも関わらず、憎めないどころか惹きつけられてしまいます。
 それにしてもエルってレーベルはどうしちゃったんでしょうね。あのブームはいったいなんだったんでしょう?ホントにブームだったんでしょうか?

2000/10/15


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