80年代中期にブレイクした4ADレーベルの代表格、コクトー・ツインズの代表作である3rdアルバム『神々の愛した女たち』です。ジャケットのイメージ通り、中身も耽美的かつエレガントな名盤です。私も、たまたま耳にした5曲目「PANDORA」のあまりの美しさに一辺で魅了されてしまいました。
エコーたっぷりのドラムマシーンのビートに乗せて、霧のかかったようなノイジーなギターがからむ点はいかにもゴシック系…と思いきや、ヴォーカルのエリザベス・フレイザーの声が出てきた途端に印象は一変します。
邦題に『神々の愛した女たち』とあるように1曲1曲がそういった題名になってはいるものの、はっきり言って単にイメージというか雰囲気だけです。歌詞なんてほとんどないに等しく、スキャットのようなヴォーカルが全編に渡って聴かれます。それが天上界から降り注いでくるような、もしくは冥界から吹き上げてくるような、この世のものとは思われない美しさに満ちているんです。
ただ、勢いに乗じて行われた来日公演では、何が気に入らなかったのかひどく無愛想な人たちで、当時はガッカリしました。(1時間弱でアンコールもなし)今にして思えば、いきなりブレイクしてしまったけれど実はシャイな人たちだったのかもしれません。
2001/07/10