GENTLE GIANT / OCTOPUS

(1973)

 シャルマン3兄弟を中心に結成されたジェントル・ジャイアントの4thアルバムは、イエスでお馴染みのロジャー・ディーンがジャケットを手がけた代表作です。そのイエスをはじめ英国にはメジャーなプログレバンドがいくつか存在します。ジェントル・ジャイアントは、それらと比べると知名度やセールス面でははるかに及ばないものの、どのバンドよりも卓越した演奏力、複雑な構成力を誇る最高レヴェルのブリティッシュプログレバンドと言えるでしょう。
 ともかく中身が濃過ぎます。転調に次ぐ転調を繰り返す変幻自在のサウンドを聴いていると、ものスゴい大作を聴いたような錯覚に陥りますが、なんとほとんどの曲が4分前後。つまりそれだけ1曲1曲の完成度が高く、凝縮されているということです。特に、インストゥルメンタルの「THE BOYS IN THE BAND」は目まぐるしい展開で、彼らの超絶なテクニックが堪能できます。
 これだけ濃いバンドなのでさぞかしカリスマ性のあるフロントマンがいるだろうと思いきや、兄弟全員マルチプレーヤーでヴォーカルもとるため、誰が誰やら覚えられません。それが仇となって知名度が低く、セールス的にもふるわなかったのでしょうか…。文字通りの器用貧乏?

2002/09/17


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