70年代にはキッスやエアロ・スミスと並んで日本でも圧倒的な人気のあったアメリカンバンド、チープ・トリックの8枚目(『at
武道館』を含む)のアルバムです。
一時期の飛ぶ鳥を落とす勢いだった頃と比べればセールス的には明らかに低迷期に入っており、その上前作からオリジナルメンバーのトム・ピーターソンが抜けてしまっているものの、ロビン・ザンダーの甘いマスクやリック・ニールセンのユニークなキャラクターはもちろん健在です。
アメリカンバンドらしからぬちょっとクセのあるメロディラインを、いかにもアメリカンバンド的なノリで演奏する彼らの持ち味が、プロデューサーのトッド・ラングレンによってうまく増幅されています。特に1曲目の「I CAN'T TAKE IT」のスッキリとしたアレンジやアルバムタイトル曲のイントロの音処理等々、随所にトッドのセンスが光ります。そのトッドが提供した12曲目なんて、ユートピアそのまんまの曲調で思わず笑ってしまいます。
それにしてもロビンの日本での人気はスゴいものがありましたね。少女マンガに出てくる王子様のような扱いでした。けっこう骨のあるサウンドなのにエヴァーグリーンな曲調が胸にキュンと来るんです。
2002/09/28