UTOPIA / OOPS! WRONG PLANET

(1977)

 トッド・ラングレン率いるユートピアの、4人組になってから2枚目のアルバム『悪夢の惑星』です。
 トッドは、一人多重録音のソロアルバムや、プロデューサーとしての活躍によってその名を知られてはいるものの、英国産のポップ職人たちのように、スタジオにこもって密室作業ばかりしているタイプではありません。彼はあくまで豪快なアメリカ人で、スタジオで働いた分ライヴでは発散します。元々ユートピアというバンドはそんなトッドの欲求を満たすためのプロジェクトだったようです。
 とは言っても、ワンマンなトッドがここでは一メンバーに徹し、ヴォーカルも全員で分け合っているため、バンドとしてのまとまりも感じます。1曲目から「TRAPPED」のかけ声とともに怒濤のノリで迫り、ロジャーの渋いバラードをはさんで、3曲目にトッド、5曲目にカシムのヴォーカルが炸裂します。いずれも、ラストを飾る名曲「愛こそ証し」と並んでライヴでは定番となっています。
 バンドはその後どんどんタイトなサウンドになっていき、それも私としては大歓迎でした。勢いでビートルズのパロディアルバムまで出しましたが、これがまた秀逸!
 

2002/03/26


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