マイルス・デイヴィス(tp)のバックを務めていた新主流派の騎手ハービー・ハンコック(p)が、同じくマイルス・グループの盟友ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)らと創り上げた傑作『処女航海』です。
このアルバムではマイルスの元で体得したモードの手法を駆使し、淡々としながら緊張感のある演奏を繰り広げていますが、師匠格のマイルス同様この人も次々とスタイルを変えていく革新的なアーティストで、その後ファンク、ヒップホップ等ジャズの枠にとどまらない音楽性を見せます。比類なき柔軟なセンスを持ち、なんでもできちゃうこの人に対する私のイメージは「全知全能」。
2004/01/11