トランペッターである以上に、次々と新たな地平を切り開いたイノヴェイターとしてジャズ史上にその名を刻む帝王マイルス・デイヴィス(tp)は数々の名盤を残していますが、これはその中でも、モードという手法を用いたジャズの一つの到達点として最も重要なアルバムでしょう。
参加メンバーもジョン・コルトレーン(ts)、ビル・エヴァンス(p)、キャノンボール・アダレイ(as)など、単体でも重要な人たちばかりです。特に3曲目の「BLUE IN GREEN」は、リリシズムを持ち味とするマイルスとエヴァンスの二人のキャラクターがみごとに溶け合って、あまりにも深く美しい世界を創り上げています。ただ、真っ昼間から聴くようなサウンドではありませんが…。
2002/02/21