80年代に最も先鋭的だったアメリカのバンド、トーキング・ヘッズの6枚目のスタジオアルバムです。
テレヴィジョンらとともにニューヨークのパンクバンドとしてデビューした彼らでしたが、ブライアン・イーノと組んで大胆にアフロビートを導入したロック史上に残る名盤『REMAIN IN LIGHT』等を発表し、シーンをリードしていく存在となりました。大体においてそのテの土着のリズムは肉体的なノリが先行するものですが、彼らのそれはアイデア先行の音楽的実験でした。そしてそれらの集大成として、傑作ライヴ映画『STOP
MAKING SENCE』を制作し、彼らの実験は一段落したようです。
このアルバムにはそういった実験をやりつくした後の自然体の彼らの姿があります。シングルとなった「THE
LADY DON'T MIND」や「ROAD TO NOWHERE」といった曲を聴くと、ファンクだエスノだと大騒ぎした後だけに、逆に新鮮な魅力を感じます。またそんな流れを考えなくても十分オリジナリティに溢れた上質のポップサウンドと言えるでしょう。
ところで、上述のライヴ映画のハイライトシーンであるダブダブの背広を着たデイヴィッド・バーンの痙攣ダンスはどう見てもかっこ悪いのになぜかかっこイイ!!
2003/04/07