ブリティッシュロックの老舗ムーディー・ブルースは結成当時こそR&Bバンドでしたが、メンバーチェンジによって優秀なソングライターのジャスティン・ヘイワードとジョン・ロッジの二人が加入し、壮大なコンセプトとオーケストレイションで武装したプログレバンドの草分けとして次々とロマン溢れる名作を発表していきます。
しかしどのような装飾を施そうともこのバンドの本質はポップです。このアルバムは、ピンダトロンというオリジナルメロトロンで深遠なるサウンド面を担っていたマイケル・ピンダーに替わって、スイス人キーボード奏者パトリック・モラーツを迎えたことにより、本来のポップな側面が強調される結果となりました。実際、国内盤ではアルバムタイトルにもなった1曲目「魂の叫び」をはじめとして4曲もシングルカットした点から、意図的にポップ化政策をとったものと思われます。これがみごとに功を奏しました。特に3曲目「JEMINI
DREAM」は、同じバーミンガム出身のE.L.O.にも似た軽快なナンバーで、スマッシュヒットしています。
でもこういった息の長いバンドにありがちなサウンド面での変化って昔からのファンには賛否両論なんですよね。ジェネシス等も同じパターンです。
2002/08/15