寡作のティアーズ・フォー・フィアーズの4thアルバム『ブレイク・イット・ダウン・アゲイン』です。この作品からカート・スミスと別れてローランド・オーザバル一人のプロジェクトとなりました。
前作収録の「SOWING THE SEEDS OF LOVE」を初めて聴いたときは、こんなに濃いグループだったのかと認識を新たにしましたが、案の定その直後に分裂してしまいました。私が思うに、カートはグループの薄い(ノーマルな)部分を担っていたのではないでしょうか。そう考えれば「SEEDS
OF LOVE」後の分裂は必然だったのです。
エキセントリックなポップ職人に目がない私にとってローランドの独断場となったこのアルバムは夢のようなアルバムです。もう誰も止める者はいません。自由奔放ながらも綿密に練り上げられたパワフルなサウンドが全編に渡って炸裂していて痛快です。
このようなアーティスティックな名作は得てして商業的にはハズすことが多いですが、奇しくも9曲目「BRIAN WILSON SAID」でその大先輩の名前が見られます。これもまた必然なのでしょうか…。
2001/09/13